蔵王火山の研究論文にちょっぴり協力しました

蔵王火山の研究論文に名前を載せてもらった(笑)ので、紹介します。

Structure of the shallow magma chamber of the active volcano Mt. Zao, NE Japan: Implications for its eruptive time scales
Zao volcano is one of the representative active stratovolcanoes in northeast Japan, having many historical eruption records, as the last one occurred …

タイトル:Structure of the shallow magma chamber of the active volcano Mt. Zao, NE Japan: Implications for its eruptive time scales(東北日本、蔵王火山の浅部マグマだまりの構造:その噴火タイムスケールを含む)

蔵王火山のおよそ2000年前より新しい噴出物を対象に、地質・岩石学的な調査・研究を行い、当時の地下のマグマだまりの構造を推定した論文です。斑晶組織のゾーニング構造を利用して、マグマ混合の時間の見積もりも行っており、今後の火山活動予測・防災などに役立つ成果を見出しました。

筆者担当部分

MELTS-autoで端成分組成を探し出せ

正直、なにもしてないなんて言えない・・・w

地下にあるマグマの温度圧力条件を見積もる際に、筆者作成のMELTS-autoを利用しています。

熱力学計算ソフト「MELTS」の自動計算アプリ「MELTS-auto(Ubuntu向けC言語アプリ)」を開発しました
かつて試作し、実際に現場で使っているアプリケーションとして「MELTS-auto(C言語アプリ / Linux用)」について紹介します。現在ももちろん使っていますよ! MELTSとは 火山岩石学の研究で使う便利なソフトのこと! MEL...

今回の研究対象は、採取された岩石の化学組成(全岩化学組成)が非常に均質で、その岩石を生み出した大元のマグマ(端成分マグマ:end-member magma)がどのようなものか、見積もるのが困難でした。

そこで、ある程度、端成分マグマ組成が存在しそうな化学組成(本文中では「potential whole rock compositional data sets」)を用意し、そこから実際の岩石の特徴に近いデータを生み出せる化学組成をrhyorite-MELTSを使って探したわけです。

rhyorite-MELTSを使うためには、化学組成のほかに含水量や温度などのデータも必要なので、インプットするデータが多くなるほど、組み合わせ数が膨大になります。

当然、手作業で1データずつrhyorite-MELTSを動かすのは「超」困難なので、MELTS-autoを使ってばーっとデータを出し、そのアウトプットデータと実際の岩石のデータを付き合わせました。

つまり頑張ったのは・・・

筆者が頑張ったのではなくて、MELTS-autoががんばってくれたのです(筆者はツールを作っただけ)。それなのに名前を載せていただいたのでありがたいことです。

マグマ系の話は想像力使うので面白いですね

マグマ供給系といいますが、この研究の醍醐味は、得られた岩石試料の特徴から、地下のマグマを想像するところにあります。研究者によって解釈が変わることも多いので、難しくも面白いところです。

きっと今後の火山防災に役立つと思います。

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