エクセルを用いた乱数シミュレータ(モンテカルロシミュレーション)を開発し、長らく利用しています。
シミュレーション手法の中でも特に有名なモンテカルロ法とは,シミュレーション対象の現象に対して,その入力に大量の乱数を十分与えて出力値を観測することで,その現象を確率的に解いてみる手法である.乱数を用いることから,賭け事の街として有名なモナコの都市モンテカルロの名がつけられた.乱数は,シミュレーション対象の自然現象への入力として最もふさわしい確率分布,例えば一様分布など,に従う必要がある.
乱数シミュレーションツールを作ろうと思ったわけ
独自性のあるコンテンツを作りたかった!
もともと「乱数シミュレーション」や「モンテカルロ」という言葉を知ったきっかけは、加谷珪一さん著作の「最強のお金運用術」を読んだこと。「モンテカルロ」という言葉や、乱数を用いることで、擬似的に将来の運用予測を推測できると知り、「じゃあエクセルで作ってみよう」と思い立ちました。
ウェブ上のコンテンツをグーグル検索で上位表示されるためには、「独自性のあるオリジナルなコンテンツ」が求められており、この「乱数シミュレーション」はぴったりだ、と思ったわけです。
どうすれば自分のウェブサイトが独自性や、価値、魅力のあるサイトといえるようになるかを考えてみる。同分野の他のサイトとの差別化を図ります。

作り方は結構簡単!
正規分布する乱数の出力は極めて簡単で、
この数式だけで実現できてしまいます。
ただ、1回の乱数だけでは役に立たないので、1,000回、10,000回計算させようとすると、ちょっとVBAで上手くデータを取ってやる必要がありました。そのあたりの話は以下の記事で書いています。

このようなものを作った結果、冒頭のようなグラフを出力できるようなエクセルが完成しました。あまり手間はかかっていませんが、ちょくちょく機能を追加したりしているため、今の形になるまでに結構時間をかけていると思っています。
積み立てよりも老後の取り崩しのほうが重要だった!
というわけで、このツールを使って分かった話。
投資にはリスクがあるので、
- 思ったよりも利益が出ないこと
- 損失で終わってしまう
といった可能性はあります。このあたりは、投資未経験者でもなんとなくイメージ付きやすいのでは、と思います。
一方、老後資産を運用しながら、その一部を取り崩して生活費にする場合、思ったよりも利益が出ないと結構危ないかも、ということがわかりました。
例えば、以下の記事では「60歳から退職金を利回り3%で運用すれば、一部を老後資金として取り崩したとしても資産は延命できる」と述べられています。
運用しないと資産は89歳で底をつくのに対して2%で運用すれば95歳、3%運用なら96歳まで資産を延命できる。試算はあくまで一定の条件下でみており現実にはさまざまな要素がからむが、資産運用の効果は大きいことが分かる。

しかし、モンテカルロで老後資産の取り崩しをシミュレートすると、そうはうまくいかないことがわかります。以下はその結果であり、運用に失敗した場合には95歳どころか、70歳ぐらいで底を尽きている可能性があるのです。
ここでの「失敗」とは、必ずしも無茶な運用をしたわけではなく、たまたま金融危機に巻き込まれたなど、投資ではよくある話での失敗です。
今までぼんやりとしか考えたことが無かったのですから、こう数字で見せ付けられると説得感が違いますね。
シミュレーションを通じて、もっと投資のことを知って欲しい
この手の試算記事は、読者にとってはちょっと難易度が高くて伝わりにくいのがデメリットです。東北投信ではそういう議論をガンガン展開しているので、「ついてこれる奴だけついてこいッ!」状態になっているのがちょっと問題ですね。
とはいえ、執筆者としてはこういった情報はもちろん知っておくべきですし、知ってるからこそできるアドバイスもあります。
今後も様々なシミュレーションを行なうことで、書籍などには書いてないような、オリジナル性の高い情報を発信していきたいと考えています。
投資の運用成績は正規分布になりませんので、そこをシミュレータでどう再現・近づけて行くかは今後の課題ですね。
本ツールを元にウェブアプリを作りました
本モンテカルロツールを元に、「アセロラ」というウェブアプリを開発しました。

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